【販売コンセプト】
・地元の特産品を使用した○○を製造したからどこかで取り扱ってくれないかなぁ。
⇒商品開発に至る背景や物語があれば良いのですが、とりあえず地元の特産品を使っただけ
  というような商品は、なかなか売り上げが伸びません。また、量販店での購入者層の多くは
  女性ですので、女性を商品開発に参加させ、味や用途などについての意見を積極的に
  受け入れましょう。

・社長「この新商品は旨い!これで発売しよう!」
 従業員「・・・(少し辛いけど、社長には逆らえないし、このままでいいや)」
⇒10人中10人が美味しいと思う商品を作るのは難しいですが、せめて8人くらいが美味しいと思う
  商品を作りましょう。 特にワンマン経営の場合は、せっかく良い方向性の商品でも一番大切な
  ところが欠けてしまうことも。

・「良い商品が出来た」
⇒あなた自身、また、従業員の皆様は、その新製品に対して「お金を払ってでも欲しい」と
  思いますか?本当に良い商品であれば、自社スタッフもお金を払ってでも欲しいと思ってくれる
  はずです。そのような商品であれば、お店に並んでもよく売れるでしょう。


【商談にて】
弊社は食品卸売業も行っており、生協等のバイヤー様へ案内することもあります。その際、
「私も一緒にバイヤーへ商品の良さをアピールしたい」と言われるメーカー担当者がおられるの
ですが、基本的には断っています。何故だか分かりますか?
⇒良い商品であれば、メーカー担当者がバイヤーに説明しなくても商談は成立します。
  逆に、メーカー担当者がわざわざ説明しないと良さが伝わらない商品であれば、量販店の
  商品棚に陳列したとしても消費者は手に取ってくれないでしょう。


【販売ターゲットを絞る】
@誰に売るのか?
・量販店で 買物をする客層の大半は主婦(女性)です。では、その人はどのような優先順位で
  買物をするのでしょうか・・・。
⇒おそらく、決められた予算内で食事の材料→生活必需品→嗜好品の順番で購買されると
  思います。さらに嗜好品は、自分が欲しいもの→子供が欲しいもの→夫が欲しそうなものの
  順番に分けられます。
  つまり・・・夫が好むものより、自分(主婦)が欲しいものを購入するのです。
  だから・・・「ビールのおつまみに!」といった商品は量販店ではあまり売れません。
  (そもそも、100円の発泡酒のために300円のおつまみは、奥さんは控えます)
  ではどうするのか・・・同じおつまみでも販売ターゲットを変えれば良いのです!
  (例:奥様やお子様のカルシウム補給に!)

Aどこで売るのか?
・もし、御社が「激辛ソース」を新商品化したらどこに向けて販売しますか?先ほども述べた
とおり、量販店での客層は女性がメインです。でも女性の多くは辛いものが苦手です。
つまり・・・女性メインのお店では激辛商品はあまり売れない。
ではどうするのか・・・やはり、販売ターゲットを変えるのです!
⇒比較的、男性や若者は「激辛」が好きな人が多いようです。だったらその人達が集まるところで
  販売するのです。例えば観光地、サービスエリア、道の駅。そのような所へ集まる人に
  遊び感覚で購入してもらうのです。しかも、その人達は心がウキウキなので、少々値段が
  高くても買ってくれるかもしれません。

Bどうやって売るのか?
・商品によって売り方は変わってきますが、上記で説明した「激辛ソース」の場合、参考小売
価格を高めに設定するのも面白いかもしれません。
 ⇒価格が高い方が、「激辛期待値」が高いような気がするので購入意欲の上昇に繋がります。
   198円の激辛ソースよりも780円の激辛ソースの方が辛そうという期待感が高まりますよね?
 ⇒さらに、本品の購入層は男性をターゲットとしています。男性は、自分が欲しいものは
   多少高くても購入する傾向がありますので、参考小売価格を高めに設定することは
   問題ありません。
 ⇒そして、参考小売価格を高めに設定したことによる利益は自社が回収するのではなく、
   販売店に回収してもらうようにします。販売店では利益率の高い商品を多く購入して欲しいと
   考え、自ずから店内の目立つ場所に激辛ソースを陳列し、結果的に売上本数の増加に
   繋がります。


【原料の価格を考える@】
コストを抑えることで利益を伸ばすという方法も存在します。当然の事かもしれませんが、
意外とご存知で無い方もおられるようですので、下記にいくつかの例を挙げてみます。
・ソフトクリーム
  ⇒空気を取り入れることにより体積を増やしています。
・米菓
  ⇒これも空気を入れることにより、体積を増やしています。
・帆立貝柱の燻製
  ⇒もともと単価が高い原料にも関わらず、燻製したことにより非常に小さくなっています。
   よって、消費者としては少量なのにとても高いイメージを持たれてしまいます。
・帆立貝柱スープ
  ⇒帆立貝柱は少量使用するだけで、他は単価の安いデキストリン等を使用します。
   こうすることにより、単価を抑えたまま体積を増やすことができます。上記の燻製と真逆の
   製品となり、消費者も高いイメージはあまり持ちません。
・バターやチーズ
  ⇒濃縮することにより体積は小さくなります。よって、体積が小さいにも関わらず高価な
   商品となってしまいます。
・乾燥野菜
  ⇒野菜を構成している主成分は水分です。これらを乾燥すると非常に小さくなって
   しまいます。粉末にすることで扱いやすいという利点はありますが、グラム当たりの単価は
   高くなってしまいます。

  ⇒上記のように、原料の高いものは水や砂糖、空気などで体積(容量)を増やすことで
   原料単価を抑えることが可能になります。逆に、水分を飛ばし、体積(容量)を小さく
   することで原料単価は高くなってしまいますので、目的に応じた加工を考える必要が
   あります。


【原料の価格を考えるA】
弊社では大ヒットした「卵かけご飯専用醤油 おたまはん」以外にも、(株)吉田ふるさと村へ
提案したモノづくりを紹介します。実は、おたまはんが大ヒットしている最中に、吉田ふるさと村の
担当者が弊社へやってこられました。
「次は何が良いですか?」と。販売開始したばかりの商品が大ヒットしている最中に、次の
商品を考えている担当者には脱帽しました。

本題に戻りますが、弊社として「全て国産の七味唐辛子を作ろう」という提案を行いました。
理由として、
@吉田ふるさと村では、もともと乾物も取り扱っていたということ。
A当時、全て国産の七味唐辛子は無かったこと。
B加工が簡単で、大量生産が可能だったこと。
C利益率が非常に良いこと(下記料金は参考例です)
 ⇒実はこのCが一番大きな理由でした。想像してみてください。市販されている大手の
   七味唐辛子は約100円で販売されています。当時、東京の有名な七味唐辛子が、298円で
   販売されていたことを考え、純国産であれば398円で通用すると考えました。
   しかも七味唐辛子は1瓶あたり15g程度なのです。小売価格398円ということは、
   出荷値は5掛けの200円でOKとなり、これを計算すると、
   15g ⇒ 200円
   1kg ⇒ 約13,333円
   となります。なんと1kgで13,333円もあるのです。こんなに利益率の良い乾燥野菜は
   他にはありません。
こうして、吉田ふるさと村では純国産の七味唐辛子を販売し、吉田ふるさと村だけでなく、
周辺地域の農家の皆様も潤い、元気になったと伺っています。加えて、今では島根県の
雲南地区では日本でも有数の唐辛子の生産地となっています。

実はこの提案ですが、「売り上げを伸ばしたいけど何を作ったらいいのか分からない」と、
弊社へ相談に来られた他の数社にも提案していたのですが、どこも実行されていませんでした。
後になって、やはり実行していけば良かったと言われていましたが、まさに後の祭りです。
新商品を開発するに当たり、大きな設備や高価な機械を導入するのは難しいですが、
七味唐辛子のような商品であれば大きな導入コストは不要です。このように、会社の負担と
ならないチャレンジは積極的に行うべきだと思いますし、それに際し本ページの内容が少しでも
お役にたてば幸いです。皆様のより良いモノづくりの成功を願っております。
皆さまはどのような目的で加工食品を製造されていますか?地元の特産品を使用し、地域の発展に貢献したいため。美味しいものをつくり消費者の皆様へ喜んでもらうため。様々な理由があると思いますが、やはり売り上げを伸ばしたいという目的がベースにあると思います。売り上げを伸ばすということは容易なことではありませんが、売り上げが伸びるような工夫を行うことは必要です。本ページでは、そのような工夫や考え方のいくつかを例示しておりますので、貴社の商品づくりの参考になれば幸いです。
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